こんにゃくお爺さんです。NicolaiのBaikal Leather Intenseをご紹介します。
使ってみた率直な感想
もともと甘めの香水が好きということもあり避けてきたレザー系香水というジャンル。なんというか渋いおじさんが付けてるイメージもありこれまでずっと避けてました。
つけた瞬間に感じるのは歯医者さんの匂い。何とも言えない薬品臭。
皮から革へ加工する工程(なめし)で薬品を用いることもあるので、レザー系香水と言うからにはこうしたケミカル臭があっても当然なのかもしれません。
そこから1時間もしないうちに革靴の箱を開けた瞬間のような、馴染みのある革の匂いがします。ただ、人によっては杏仁豆腐のような甘味も強く感じるかもしれません。冬の寒い時期向けな気がします。
少し時間経ってからの匂いがいい塩梅ですね。
香りの拡散も強く、EDPということもあり手首につけるとクラッときそうになります。腰や足首につけてフワッとさせるくらいの方がよいかもしれませんね。
答え合わせと商品概要
商品概要は以下の通りです。
トップ:ユズ、ペッパー、サフラン
ボディ:レザーバーチ、バイオレット、ローズ、アイリス
ベース:ガイアックウッド、サンダルウッド、ベチバー、トンカマメ、ムスク
パフューマー:Patricia de Nicolaï
販売元:NOSESHOP
(https://noseshop.jp/products/146882737?variant=40084784152764)
価格(参考):15,200円(30mL)・35,200円(100mL)
妙な薬品臭はサフランに由来するのでしょうが、柚子が入っていたのは全く気が付きませんでした。
革の匂いの奥に甘みを感じましたが、バイオレットやトンカ豆が入ってればそれも納得です。
Bikal Leather Intenseの背景
Bikal Leather Intenseはニコライの創立30周年を記念して作られた香水です。
パフューマーのパトリシア・ド・ニコライの長年の希望もあり、バイカル湖ロシアンレザーとバイカル湖をインスパイアした香水が作られました。
①ロシアンレザーってなんだ?
正直革製品に馴染みがない一般人からするとピンときませんが、調べてみると革の品質はさることながら、匂いも独特なスモーキーさとウッディさを兼ね備えているようです。
そのロシアンレザーの品質を表すかのようなエピソードもご紹介します。
時は1973年、ドーバー海峡沖でロシアンレザーを積んだ船が沈没してしまうという事故が発生します。そのおよそ200年後、沈没船が引き揚げられたのですが、そこから無傷のロシアンレザーが見つけられました。
かつて帝政ロシアで最高級の革製品とされてきましたが、十月革命のゴタゴタで製法がすっかり失われてしまいました。
発見されたことで復活させようとの気運が高まり、エルメスの研究チームが長い年月をかけて製法をつきとめたとのことです。
ただ、ロシアンレザーはタンニンを使った溶液で作られるようなので、ではトップの薬臭さって何をイメージしてるんだろうかとちょっと矛盾があったり。
参考:https://www.hermes.com/jp/ja/story/192516-volynka-russian-leather/
調べてみて初めて、ロシアンレザーのすごさが分かりました。
②バイカル湖ってどこだっけ?
名前にはバイカルレザーとありますが、バイカルとはバイカル湖のこと。
世界最深の淡水湖として、また独特の三日月型の湖として有名です。
シベリア南部に位置し、自然環境は過酷そのもの。
しかし、独自の生態系によりガラパゴス諸島と並び”生物進化の博物館”とも称されるほど。
ちなみにバイカルは現地の言葉で「豊かな湖」という意味なので、バイカル湖は「豊かな湖湖」となってしまいます。完全に余談ですね。
この香水はそんな過酷な環境と最高品質の革へのオマージュとも受け止められますね。
意外とレザー系も悪くないかもしれない
初めに書いた通り、あまりレザー系は食わず嫌いしてましたがこれからの時期にちょうどいいですね。
仕事できそうな渋いおじさんのイメージでしたが、スイッチ入れたいときに割とアリかも。