ウイスキー検定対策で外せないのが、それぞれの原産国に対する知識です。
今回はだいぶウイスキーから離れた部分となります。ウイスキー検定はウイスキーそのものの知識で合格は難しいのです。
今回記事にする内容にほぼウイスキーは出てきませんが、ウイスキーにしか関心がないと「なぜこんなものを覚えなければならないのか」であるとか、「全然頭に入ってこない」となってしまう分野です。
なお、太字で書いた部分は過去ウイスキー検定で問われている部分です。
今回のテーマ:面積と人口と豆知識問題を攻略する
1.スコットランドと日本の面積を比較させる問題の攻略
ウイスキー検定でほぼ毎回問われる面積を比較する問題です。パターンとしてはスコットランドとの比較、アイラ島との比較などがあります。
地域 | 面積(およそ) | 日本のこれとだいたい同じ! |
スコットランド | 7.8万km^2 | 北海道本島(7.8万km^2) |
アイラ島 | 620km^2 | 淡路島(590km^2) |
ちなみにスコットランドと北海道本島はほぼ同じ大きさですが、スコットランドの方がより高緯度に位置しています。(スコットランド:およそ北緯55°、稚内:およそ北緯45°)
このような記事を読まれてる方の中には、それならばイングランドとかはどうなの?と思う方もいるでしょう。そうでしょう?
ということで、以下の内容はウイスキー検定ではあまり深く聞かれない部分ですが、筆者の興味と備忘録を兼ねて以下にまとめます。
なお、ウイスキー検定では当然ながらウイスキーに重点を置くため、スコットランド・北アイルランドがメインとなりますが、参考も含めてUK全体を対象としてまとめています。
地域(代表的な蒸留所) | 面積(およそ) | 日本のこれとだいたい同じ! |
UK | 24.4万km^2 | 国土面積の2/3(≒本州+四国) |
イングランド | 13.0万km^2 | 本州-東北-関東 |
ウェールズ | 2.0万km^2 | 岐阜県(0.9万km^2)+秋田県(1.2万km^2) |
北アイルランド | 1.4万km^2 | 福島県(1.4万km^2) |
ルイス島(アビンジャラク) | 2200km^2 | 沖縄県(2200km^2) |
スカイ島(タリスカー) | 1600km^2 | 佐渡島(850km^2)2つ分 |
マル島(トバモリー) | 880km^2 | 佐渡島(850km^2) |
メインランド島(ハイランドパーク・スキャパ) | 520km^2 | 屋久島(500km^2) |
アラン島(アラン) | 430km^2 | 種子島(440km^2) |
ジュラ島(ジュラ) | 370km^2 | 福江島(330km^2) |
ウイスキー検定では上記の理由によりイングランドやウェールズの面積について出題されることはあまりないと思います。ちなみに過去にはインナーへブリディーズ諸島最大の島を問われたことがあります。
インナーへブリディーズ諸島のみで見ればスカイ島が最大の島ですが、アウターへブリディーズ諸島も含めた、ヘブリディーズ諸島全体で見るとルイス島が最大となります。
ウイスキー検定は『最大の〇〇は?』や『最小の△△は?』といった出題が好きなので、面積や日本との比較とまではいかなくとも、最大・最小については覚えて損はないです。
2.スコットランドの都市部の面積に関する問題の攻略
ウイスキー検定ではスコットランドに関する面積だけではなく、スコットランドの都市部に関する人口も問われます。
地域 | おおよその人口 |
UK | 6700万人 |
スコットランド | 550万人 |
エディンバラ(首都) | 50万人 |
グラスゴー | 63万人 |
ここで非常に紛らわしいものとして、首都はエディンバラですが人口はグラスゴーの方が多いという点があります。
首都を問われるパターンもあるので、エディンバラがスコットランドの首都であることをしっかり頭に入れましょう。
あれ?「スコットランドの首都…?スコットランドってイギリスの一地域じゃないの?」と思った方もいらっしゃるかと思いますが、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」が正式な国名です。
我々が普段使う「イギリス」はイングランドという連合王国の一つの地域を指しています。連合王国という特性上、イングランドにも首都があればスコットランドにもあり、ウェールズや北アイルランドにも同じように首都が存在します。
ちなみに、スコットランド出身者をイングリッシュという単語で表現することは失礼に当たりますので要注意。
3.スコットランドの都市や町の豆知識を攻略する
完全に豆知識の話になってしまいますが、これまでウイスキー検定に出題された都市や町をまとめます。
ウイスキー検定はスコットランド人に限った話ではないですが、時事問題や小ネタとしか思えない問題も結構出題されます。
- エディンバラ・グラスゴーについで人口約19万人のスコットランド第3の都市
- 1960年に開発開始した北海油田により石油採掘の拠点となる(ヨーロッパの石油の首都)
- 人口約4.5万人ハイランド唯一のシティ(シティ:選ばれた自治体に対して国王が与える地位)
- ネッシーで有名な、ネス湖から流れるネス川の河口にある(都市の名前もネス川に由来)
- かつてニシンの一大漁港として栄えた
- プルトニー蒸留所がある
北海油田とネス湖のくだりは覚えるしかありませんが、ウィックについてはニシンとウイスキーの切っても切れない関係があるのでご紹介します。
プルトニー蒸留所があったかつてのウィックは小さな漁村でしたが、スコットランド北部の発展を目的として漁港が作られました。その結果、ニシン漁が大盛況となり人口も10倍近くまで増加したと言われています。
そのような発展ぶりを表して、「ウィックには樽に入った金と銀がある」と当時よく言われていました。金とはウイスキー、銀とはニシンのことです。
このような急激な繁栄の結果治安も次第に悪化していき、当時スコットランドは禁酒運動が盛り上がりを見せていました。1913年には各自治体に禁酒法を施行を一任する法令が議会を通過し、1922年には唯一ウィックで禁酒法が実施されました。なお、この禁酒法は25年間続き、プルトニー蒸留所も休業を余儀なくされ、その間にウィックの町は衰退してしまいました。
その後、プルトニー蒸留所のオーナーが何度か変わり2012年には「ウイスキー・バイブル」という書籍の中でオールド・プルトニー21年がウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞。これにより知名度も一段と向上しました。
この歴史的な背景自体は問われることはありませんが、ウイスキー検定でなぜニシンの話が出るのか?ということに関しては納得できますね。
まとめ
今回の記事ではスコットランドの面積・人口・そしてちょっとした豆知識を問う問題についてまとめました。
- スコットランドと北海道、アイラ等と淡路島はほぼ同じ面積
- スコットランドの首都はエディンバラ(人口50万人)、最大都市はグラスゴー(人口63万人)
- アバディーンは北海油田、インヴァネスはネス湖、ウィックはプルトニー蒸留所とニシン漁がキーワード
最後に今回紹介した都市や町が実際どこにあるのか確認します。
以上です。最後までお読みくださりありがとうございました。ウイスキー検定の勉強の参考になれば幸いです。